
床に座る文化の中で生まれた「特別な家具」
私たちにとって「椅子」は当たり前の家具ですが、
実は日本の暮らしにおいて、椅子は長いあいだ特別な存在でした。
畳に座る、正座をする。
そんな生活が根付いてきた日本で、
最初に使われた椅子は、日常の道具ではなかったのです。
今回は、
日本最古の椅子とされる家具を手がかりに、
日本人と椅子の距離感について考えてみます。
🏛️ 日本最古の椅子は「座るため」ではなかった
日本最古の椅子としてよく挙げられるのが、
**飛鳥〜奈良時代に伝わった「胡床(こしょう)」**です。
胡床は、
- 折りたたみ式
- 脚が交差する構造
- 腰掛けるための布張り
という形をしており、
現在のキャンプチェアにも似た構造をしています。
ただしこの椅子、
一般の人が日常的に使うものではありませんでした。
👑 椅子は「権威」を表す家具だった
胡床は主に、
- 天皇
- 貴族
- 高位の僧侶
といった、身分の高い人だけが使える家具でした。
つまり当時の椅子は、
「楽に座るための道具」ではなく、
身分や立場を示す象徴的な家具だったのです。
今でも皇室儀式で使われる
「高御座(たかみくら)」は、
椅子というより「座の象徴」としての役割を色濃く残しています。
🧘 なぜ日本では椅子が広まらなかったのか
日本で椅子文化が定着しなかった理由には、
いくつかの背景があります。
- 畳文化による床座生活
- 正座・あぐらに適した住環境
- 家具を最小限にする暮らし
日本の家屋は、
低く・柔軟に使える空間として発展してきました。
椅子を置かなくても、
座る・寝る・食べるがすべて床で完結する。
それが、日本の住まいに合っていたのです。
🌿 「座る」という行為の意味の違い
椅子に座る文化と、床に座る文化。
この違いは、単なる姿勢の違いではありません。
床に座る生活では、
- 目線が低くなる
- 空間に余白が生まれる
- 身体をこまめに動かす
といった特徴があります。
一方、椅子は
姿勢を固定し、行動を区切る家具でもあります。
日本で椅子が特別だったのは、
座るという行為そのものが、
日常と切り離されたものだったからかもしれません。
🪑 椅子が「日用品」になったのは意外と最近
日本で椅子が一般家庭に広まったのは、
明治以降、西洋文化が入ってきてからです。
- 学校の椅子
- 役所の椅子
- 応接間のソファ
最初は「洋風で特別な家具」として迎えられ、
少しずつ生活に溶け込んでいきました。
つまり、
私たちが毎日使っている椅子の歴史は、まだ100年あまり。
日本の暮らし全体から見れば、とても新しい存在なのです。
✨ 椅子を見ると、日本の暮らし方が見えてくる
日本最古の椅子をたどると、
そこには「便利さ」よりも
意味や象徴を重んじる暮らしが見えてきます。
椅子は単なる家具ではなく、
- 誰が座るのか
- どんな場面で使うのか
によって、役割が決められていました。
今、何気なく座っている椅子も、
実はとても新しく、
そして文化の転換点を背負った家具なのかもしれません。
🏠 暮らしの変化とともに、家具の価値も変わる
生活様式が変われば、家具との付き合い方も変わります。
使わなくなった椅子や、ライフスタイルに合わなくなった家具も、
誰かにとっては、まだ十分に価値のある存在かもしれません。
引っ越しや模様替え、
「何となく使わなくなった」という理由で手放される家具は少なくありません。
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